前項ではseinの過去の形を学習しましたが、今回は「haben」の過去の形を習いましょう。
なぜseinとhabenがメインになるかというと、2つ理由があります。
1 口語で過去のことを話すとき「過去形だけ」を使うのはこの2つの動詞が多いから
2 seinとhaben は、後に習う文法項目で「助動詞」(Hilfsverb)として使われるから
<1について>
ドイツ語の「過去形」(Präteritum)は、英語と違い口語ではあまり使われません。
文法的には「現在完了」(Pertizip Perfekt)が口語で「過去に起こった出来事」を話すときに使われます。
<2について>
sein と habenは「~です」とか「持っている」のように独立した動詞だけで使われるのでなく、上記「現在完了形」で「助動詞」として使われます。
この「現在完了形」は、5章その3で詳しく学習しましょう
haben の過去形は「hatte」となります。これも主語によって、語尾が少しだけ変化します
主に「持っていた」「(家族・友人・恋人・ペットが)いた」「所有していた」の意味で
使われます。
私は車を持っていた | Ich hatte ein Auto. |
君は自転車を持っていた | Du hattest ein Fahrrad. |
エレナはバイクを持っていた | Elena hatte ein Motorrad. |
わたしらは過去、犬を飼っていた | In der Vergangenheit hatte ich einen Hund. |
君らは猫を飼っていた | Ihr hattet eine Katze. |
あなたは馬を所有していた | Sie hatten ein Pferd. |
ちなみに、過去・現在・未来はこのようになります
過去 Vergangenheit |
現在 Gegenwart |
未来※ Zukunft |
|
sein | war | sein | werden sein |
haben | hatte | haben | werden haben |
※まだ先で習いますが、未来形のことを「Futur」といいます。ドイツ語では、実は英語のように未来形というのはほとんど使われず、現在のことを言うのと同じ形です。
たとえば同じ「gehen」でも、あとで(später)や明日(morgen)とかあさって(übermorgen)
などを一緒につけることで、「今ではなく後の未来」を意味することになります。
<例>
今からちょっとスーパーに行ってきます Ich gehe jetzt kurz in den Supermarkt.
明日(後で)スーパーに行きます Ich gehe morgen(später)in den Supermarkt.