5-2. ドイツ語の過去形② 過去の出来事を話すhaben の過去形

前項ではseinの過去の形を学習しましたが、今回はhabenの過去の形を習いましょう。

なぜseinとhabenがメインになるかというと、2つ理由があります。

 

1 口語で過去のことを話すとき「過去形だけ」を使うのはこの2つの動詞が多いから

2 seinとhaben は、後に習う文法項目で「助動詞」(Hilfsverb)として使われるから

 

<1について>

ドイツ語の「過去形」(Präteritum)は、英語と違い口語ではあまり使われません。

文法的には「現在完了」(Pertizip Perfekt)が口語で「過去に起こった出来事」を話すときに使われます。

 

<2について>

sein と habenは「~です」とか「持っている」のように独立した動詞だけで使われるのでなく、上記「現在完了形」で「助動詞」として使われます。

この「現在完了形」は、5章その3で詳しく学習しましょう

 

haben の過去形は「hatte」となります。これも主語によって、語尾が少しだけ変化します

 

主に「持っていた」「(家族・友人・恋人・ペットが)いた」「所有していた」の意味で

使われます。

 

私は車を持っていた Ich hatte ein Auto.
君は自転車を持っていた Du hattest ein Fahrrad.
エレナはバイクを持っていた Elena hatte ein Motorrad.
わたしらは過去、犬を飼っていた In der Vergangenheit hatte ich einen Hund.
君らは猫を飼っていた Ihr hattet eine Katze.
あなたは馬を所有していた Sie hatten ein Pferd.

 

ちなみに、過去・現在・未来はこのようになります

 

過去
Vergangenheit
現在
Gegenwart
未来※
Zukunft
sein war sein werden sein
haben hatte haben werden haben

 

 

※まだ先で習いますが、未来形のことを「Futur」といいます。ドイツ語では、実は英語のように未来形というのはほとんど使われず、現在のことを言うのと同じ形です。

たとえば同じ「gehen」でも、あとで(später)や明日(morgen)とかあさって(übermorgen)

などを一緒につけることで、「今ではなく後の未来」を意味することになります。

<例>

今からちょっとスーパーに行ってきます  Ich gehe jetzt kurz in den Supermarkt.

明日(後で)スーパーに行きます     Ich gehe morgen(später)in den Supermarkt.