inやauf などはDativもAkkusativもとる前置詞ですが、今回はその「区別の仕方」を学習しましょう。
「in」 は「~の中で」とか「~の中へ」の意味があります。
この「~で」と「~へ」という違いでDativかAkusativが決まります。
(例)
彼は部屋で新聞を読んでいる Er liest Zeitung im(=in dem) Zimmer.
※このdem Zimmer はDativですね。これは「主語が部屋の中にとどまっている」状態です。
これに対し、
彼は新聞をもって部屋に入る Er geht mit Zeitung ins(=in das)Zimmer.
※これは「主語そのものが動きを伴って移動する」状態です
また「(接した状態で)~の上で」「~の上に」のauf を例にすると
(例)
ランプが机の上に立っている Eine Lampe steht auf dem Tisch.
※こちらも、「すでに机の上のある」状態です
エレナがランプを机の上に立てる Elena stellt eine Lampe auf den Tisch.
※こちらは「ランプを手にして机に置く」という移動が現れています。
このように
「その場所・空間にとどまっている状態」としての場合はDativ
「その場所・空間に移動の動きを伴って入っていく・接していく」場合はAkkusativになります。
これが、DativとAkkusativの両方をとる前置詞の最も大切な特徴です。
Wo?(どこで?)ときかれたらDativです
in dem Zimmer, im Theater, im Kino, in der Schule, in dem Büro…
主語そのものや対象物が、場所・空間にすでにとどまっているイメージです
<in のDativの場合>
<auf のDativの場合>
Wohin?(どこへ?)ときかれたらAkkusativ です
in das Zimmer, in das Theater, in das Kino, in die Schule, in das Büro…
主語そのものや移動させる対象物が、矢印を伴って移動していく(中に入っていったり、接していったり、乗っかっていく)イメージを持ちましょう
<in のAkkusativの場合>
別の場所から、他の場所・空間に入っていくもしくは入れられるイメージです
<auf のAkkusativの場合>
別のところにあったものが・・・
動きを伴って移動し、(自身が)置いたり置かれたりするイメージです
このDativ ・Akkusativの違いは、筆者が語学学校でドイツ語を習っていた際に教わりました。当時の授業ではこの項目にかなりの時間をかけていたのを、今でもはっきりと覚えています。
よく言われたのが「woだとDativ」「wohinだとAkkusativ」でした。
ドイツでタクシーに乗ろうとすると、「Wohin?」と訊かれます。ただしそこで
「Akkusativ!」とは答えないように、と先生にジョークを言われたこともあります。
次の項目では、DativとAkkusativの両方をとる前置詞の意味・用法を学習しましょう。