8-6.ドイツ語の形容詞と副詞

 

<形容詞の名詞化>

日本の夏は暑いです、と言いたい時の「暑い」が名詞になると「暑さ」と言いますね?

「寒い」も「寒さ」という言葉になる、つまり名詞として扱うことが出来ます。

今回は、形容詞を名詞にしたものを勉強しましょう。

 

<若干形が変化しますが、元の形容詞の面影があるもの>

暑い・熱い heiß 暑さ・熱さ e/Hitze
寒い kalt 寒さ e/Kälte
温かい warm 温かさ e/Wärme
冷たい kühl 冷たさ e/Kühle

 

<形容詞がそのままの形で名詞になったもの>

よい gut das Gut
わるい böse das Böse

ドイツの哲学者ニーチェの作品「善悪の彼岸」の原題は「Jenseits von Gut und Böse」

 

<形容詞が人物の特徴を表す際に用いられるもの>

古い・年取った alt お年寄り Alte
盲目の blind 視覚障碍者 Blinde
自発的に freiwillig ボランティア Freiwillige
小さい klein 子供 Kleine 
病気の krank 患者 Kranke
ホームレスの obdachlos ホームレス Obdachlose
自営業の selbstständig 自営業者 Selbstständige
酔っぱらった betrunken 酔っ払い Betrunkene
死んだ tot 死者 Tote
雇われた angestellt 会社員 Angestellte

「子供」としてありますが日本語でも「うちの小さい子が・・・」と会話で話す際のニュアンスの「小さい子」です。息子の場合は「mein Kleiner」, 娘の場合は 「meine Kleine」と言ったりもします。

 

<-heit や-keit がつくことで名詞化する形容詞>

後ろつづりSuffix のheit keitが付くことにより、名詞になるものもあります。

 

自由である・開いている frei    → die Freiheit(自由)

悲しい                 traurig → die Traurigkeit (悲しみ)

このheitやkeitがついた名詞の冠詞はすべてdieとなります。

☆どのようなものがあるか見てみましょう。

 

軽い leicht 軽さ Leichtigkeit
疲れた・眠い müde 疲れ・眠気 Müdigkeit
速い schnell 速さ Schnelligkeit
寂しい einsam 寂しさ Einsamkeit
清潔な sauber 清潔さ Sauberkeit
可能な möglich 可能性 Möglichkeit
有効な gültig 有効性 Gültigkeit
無職の arbeislos 無職・失業 Arbeitslosigkeit
はっきりとした klar 明瞭さ Klarheit
暗い dunkel 闇・暗いこと Dunkelheit
明るい hell 明るさ・明るいこと Helligkeit
身体にいい gesund 健康 Gesundheit
病気の krank 病気 Krankheit
詳しい・その通り genau 正確さ Genauigkeit
新しい neu 新しいこと Neuigkeit
怠けた faul 怠惰 Faulheit
時間どおりの pünktlich 時間を守ること Pünktlichkeit
真面目な・真剣な ehrlich 真面目さ・真剣さ Ehrlichkeit
感謝が無い undankbar 感謝の心知らず Undankbarkeit
寛容な großzügig 不寛容 Großzügigkeit
客にやさしい gastfreundlich おもてなしの心 Gastfreundlichkeit

☆keitが付く場合

1.元の形容詞の語尾が ig, lich, sam, bar,またはer, el で終わる場合
2.元の形容詞の語尾がhaft, los, e の場合は –igkeit になる

☆heitが付く場合

1.一音節や音節が短い形容詞の時 frei →Freiheit, schön →Schönheit, klar →Klarheit
2.erやel で終わる一部の形容詞 sicher →Sicherheit, dunkel→Dunkelheit