再帰動詞(Reflexive Verben)と呼ばれる動詞があります。辞書でその動詞を読むと「再帰」とか「mit SICH」などと書かれています。
動詞は大きく分けてAkkusativの目的語をとる「他動詞」とAkkusativの目的語をとらない「自動詞」に分かれます。
今回の再帰動詞は他動詞に分類されますが、再帰動詞とは目的語として「主語自身」をとるものを呼びます。どのような動詞がそれに該当するのでしょうか?
例を見てみましょう。まずは「紹介する」のvorstellen です。
<Objekt(目的語)> | |||||
私は君にシュミットさんを紹介します | Ich | stelle | dir | Herrn Schmidt | vor. |
これは目的語が「Herrn Schmidt 」なので理解するのは簡単です。
次は「主語自身」を紹介するとどうなるでしょうか?
自己紹介してもよろしいでしょうか? | Darf | ich | mich | vorstellen? |
これは「自分自身を紹介する」、すなわち「自己紹介する」という意味になります。
また、「上げる・上昇させる」のerhöhen でMiete(家賃)を目的語にすると・・・
家主がまた家賃を値上げした | Der Vermieter | hat | die Miete | wieder | erhöht. |
そこで「家賃」を主語にすると・・・
また家賃が上がった | Die Miete | hat | sich | wieder | erhöht. |
つまり「家賃が自分を値上げした」=「家賃が上がった」となるのです。
このような動詞を「再帰動詞」(Reflexive Verben)と呼び、それに伴う代名詞(上記のmichやsich)を「再帰代名詞」(Reflexivpronomen)と呼びます。
Reflexivpronomen は以下の表のようになります。
これにもAkkusativとDativがあります。
ich | du | er/sie/es | wir | ihr | sie/Sie | |
Akkusativ | mich | dich | sich | uns | euch | sich |
Dativ | mir | dir | sich | uns | euch | sich |
なぜAkkusativとDativがあるのか? それは次回以降、色々な再帰動詞を例にして説明してまいります。