9-2.ドイツ語の動詞理解を深める 再帰動詞(Reflexive Verben)

再帰動詞Reflexive Verbenと呼ばれる動詞があります。辞書でその動詞を読むと「再帰」とかmit SICHなどと書かれています。

動詞は大きく分けてAkkusativの目的語をとる「他動詞」Akkusativの目的語をとらない「自動詞」に分かれます。

今回の再帰動詞は他動詞に分類されますが、再帰動詞とは目的語として「主語自身」をとるものを呼びます。どのような動詞がそれに該当するのでしょうか?

例を見てみましょう。まずは「紹介する」のvorstellen です。

 

<Objekt(目的語)>
私は君にシュミットさんを紹介します Ich stelle dir Herrn Schmidt vor.

 

これは目的語が「Herrn Schmidt 」なので理解するのは簡単です。

次は「主語自身」を紹介するとどうなるでしょうか?

 

自己紹介してもよろしいでしょうか? Darf ich mich vorstellen?

これは「自分自身を紹介する」、すなわち「自己紹介する」という意味になります。

 

また、「上げる・上昇させる」のerhöhen でMiete(家賃)を目的語にすると・・・

家主がまた家賃を値上げした Der Vermieter hat die Miete wieder erhöht.

 

そこで「家賃」を主語にすると・・・

また家賃が上がった Die Miete hat sich wieder erhöht.

つまり「家賃が自分を値上げした」=「家賃が上がった」となるのです。

 

このような動詞を「再帰動詞」(Reflexive Verbenと呼び、それに伴う代名詞(上記のmichやsich)を「再帰代名詞」(Reflexivpronomenと呼びます。

 

Reflexivpronomen は以下の表のようになります。

これにもAkkusativとDativがあります。

 

ich du er/sie/es wir ihr sie/Sie
Akkusativ mich dich sich uns euch sich
Dativ mir dir sich uns euch sich

 

なぜAkkusativとDativがあるのか? それは次回以降、色々な再帰動詞を例にして説明してまいります。