疑問・質問 No.18  ドイツ語の再帰動詞の使い方について

【質問内容】

「再帰動詞」があまりよく理解できません。理解するにはどのようなポイントに気をつければいいでしょう?

 

【回答】

ご質問ありがとうございます。

ドイツ語の再帰動詞とは「Reflexive Verben(複)」と呼びます。

ここの「Reflexiv」というのは似た単語に「Reflexion=反射」というのがあるように、「自分に返ってくる動詞」という意味で解釈ください。

 

たとえば、「~を喜ばせる」というfreuenを例にとりましょう。

Diese Nachricht hat ihn sehr gefreut. その知らせは彼をとても喜ばせた

この場合、主語の diese Nachricht が目的語のihn に作用した形になり、意味や使い方は至極簡単です。

これを「彼は」を主語にして、相当する再帰代名詞(Reflexiv Pronomen)であるsich を用いると・・・

Er hat sich über diese Nachricht sehr gefreut.  彼はその良い知らせにとても喜んだ

この2つの文の意味は全く同じです。

訳すことはありませんが、再帰代名詞は「自分自身を」などの意味で英語の時間に習ったことがあると思います。しかし、「彼は自分自身を喜ばせた」などとは言いませんね?

概念としては「自分を」というのは正しいです。再帰動詞というのは、「再帰代名詞をとることによって、その主語自身が目的語のように扱われる動詞」とも解釈できます。

freuenは、目的語が付くだけだと「喜ばせる」「喜ばせる」といっても 誰を?「彼自身を」すなわち、「彼は喜ぶ」という意味になるのです。

 

主語(S)+動詞(V)+目的語(O)のシンプルな場合は

S V O
Diese Nachricht freut ihn .

 

再帰動詞の場合は対象が「主語に返る」イメージです

S V Reflexive Pronomen
Er freut sich über diese Nachricht.

 

 

直訳すると「彼はそのニュースについて自分で彼自身を喜ばせた」になります。

ですが「自分で自分自身を喜ばせた」と言う人はいません。したがって「喜んだ」になります。

 

その他にも・・・

「洗う」のwaschen

私は自分の車を洗う  Ich wasche mein Auto.

私はお風呂で(自分の身体を)洗う  Ich wasche mich im Badezimmer.

 

「動かす」のbewegen

まだ腕を動かせません  Ich kann den Arm noch nicht bewegen.

私は家ではほとんど動くことはありません Ich bewege mich kaum zu Hause.

(「自分を動かす」=「動く」)

 

再帰動詞は数限りなくあります。意味を的確に把握すれば使いこなせるようになりますので、頑張りましょう。