ドイツ新聞読みこなし 子供の3分の1が移民ルーツ

日本でも移民を受け入れやすくするかどうかの議論が生まれていますが、ドイツでは生徒の3分の1が国外にルーツを持つ人々となりました。筆者も日本からドイツに移り住んだ、いわば移民です。

<注>ドイツの学校は日本とシステムは異なりますが、便宜上「小学校」「中学校」という言葉を用います。

AFP通信2017年2月7日の記事より

https://de.nachrichten.yahoo.com/drittel-sch%C3%BCler-deutschland-hat-migrationshintergrund-110201799.html

Ein Drittel der Schüler in Deutschland hat Migrationshintergrund

Rund ein Drittel der Schüler in Deutschland hat ausländische Wurzeln. Im Jahr 2015 hatten 33 Prozent der Kinder und Jugendlichen an den allgemeinbildenden Schulen einen Migrationshintergrund, wie das Statistische Bundesamt am Dienstag in Wiesbaden mitteilte. Dabei war der Anteil im Westen mit 36 Prozent deutlich höher als im Osten mit zehn Prozent.

In der Gesamtbevölkerung liegt der Anteil der Menschen mit Migrationshintergrund bei 21 Prozent. Die meisten Schüler mit ausländischen Wurzeln wurden in Deutschland geboren. Mehr als zwei Drittel (69 Prozent) aller Kinder und Jugendlichen mit Migrationshintergrund hatten von Geburt an die deutsche Staatsbürgerschaft.

Zwischen den Schularten und den Klassenstufen weichen die Anteile zudem stark voneinander ab. Während der Anteil der Schüler mit Migrationshintergrund im Jahr 2015 im Grundschulalter bei 36 Prozent lag, betrug er in der Mittelstufe 33 Prozent und in der Oberstufe nur noch 26 Prozent. Zudem war die Quote an Hauptschulen mit 51 Prozent deutlich größer als an Gymnasien mit 27 Prozent.

 

【日本語訳】

<ドイツの生徒の3分の1が移民の背景を持つように>

 

ドイツの生徒のおよそ3分の1が、外国にルーツを持つようになりました。2015年には、一般的な学校に通う33パーセントの子供と青少年が移民の背景を持つことを、ヴィースバーデンの統計局が明らかにしました。そのうち西側の数値は36%と明らかに東側よりも高く、10パーセントの開きがありました。

 

人口の総数における移民が占める率は21パーセントです。外国にルーツを持つ多くの生徒は、ドイツで産まれています。移民の背景を持つすべての子供と青少年の3分の2以上は、産まれながらにしてドイツ国籍を所有しています。学校の種類や学年によっては、その内訳はお互いに大きく開きがあります。2015年では、小学校の年齢で移民の背景を持つ生徒の割合が36パーセントだった一方で、中学校では33パーセント、さらに上級のクラスでは26パーセントとなっています。さらには「基幹学校」での割合は51パーセントと、明らかにギムナジウムの27パーセントよりも高い割合でした。

 

【読み方のポイント】

  • Ein Drittel 3分の1

    3分の2は zwei drittel

    4分の1は ein viertel

  • ausländische Wurzeln 外国のルーツ

    Wurzel は「根っこ・ルーツ」

  • an den allgemeinbildenden Schulen 「一般の教育を行っている学校」

    おそらく特別支援学校などと区別するための表現

  • Wiesbaden ヴィースバーデン

    Hessen州の州都。温泉がある。綺麗な街並み。

  • deutlisch höher 明らかに高い
  • an die deutsche Staatsbürgerschaft ドイツ国籍

    ドイツで生まれたので、ドイツ国籍を選んでいるということ

  • Schularte 学校の種類

    ドイツは小学校にあたるGrundschule (4年生。10歳まで)が終わると、Hauptschule, Gymnasium,Realschule, Gesamtschuleと、別々のカリキュラムを持つ学校に進学する。

  • während ~する一方で
  • betrug er er は Anteilを指す

    betragenは「~の額・数値である」



コラム14 ドイツでの血液型と献血 Blutgruppe und Blutspende

血液型をe/ Blutgruppe と言います。

ドイツでも血液型はABO型の場合は「A」「B」「AB」に区分され、そして「O」ではなく「0」(null)になります。

日本のように、血液型が性格分析や占いに用いられることはありません。

また、「RH+」などと言われるRH因子はRhesusfaktorと呼ばれ、プラス・マイナスではなく
「Rhesus positiv」「Rhesus negativ」という言い方をします。

(病気の検査などで陽性・陰性という言い方もpositivとnegativを用います)

 

「君の血液型はどれですか?」 Welche Blutgruppe hast du? 
「A型です」 Ich habe Blutgruppe A.

 

ドイツでも献血(e/Blutspende)はあります。献血車やBlutspendedienst (献血センター)と呼ばれる場所で行われます。

成人男子なら500ml採血されます。筆者が以前献血に行った際に担当してくれた看護師さんが「日本人はドイツ人に比べて小柄だから400mlまでなのよね」と言っていたにも関わらず、当然のように500ml抜かれました。

 

余談ですが、採血後に血液を作るため、献血センターでは飲み物と食べ物が無料で大盤振る舞いされます。
筆者の経験ではケルンの献血センターが最も豪華で、ケーキやサンドウィッチ、ポテトスープ、白ソーセージ、ピザ、そしてアイスクリームやジュースなどをこれでもかと出してくれました。
おまけに、まるで子供時代の地蔵盆(関西の夏の風習)のようなお菓子詰め合わせもプレゼントされました。
ただし空腹では採血してくれませんので、献血前に何かお腹にいれておく必要はあります。

 

ドイツにお住まいで献血に興味のある方は、「Blutspendedienst」で検索すれば各自治体の献血センターがわかります。
その際は本人確認証として、パスポートを持参したほうがベターです。


ドイツ新聞読みこなし 爆破事件の容疑者-17年後に逮捕

2000年にデュッセルドルフで発生した爆破事件の容疑者が、ほぼ17年経ってようやく逮捕されました。

まだ「容疑者」の段階ですが、捜査技術の進歩と、警察の執念に脱帽です。

筆者がドイツに住み始めるかなり前の出来事でしたので、この爆破事件のことは全く知りませんでした。余談ですが、デュッセルドル市内のWehrhahnという駅は筆者がデュッセルドルフで働いていた時の通勤路でした。過去にこのような事件があったことは驚きです。

Yahoo de 2017年2月1日の記事より

https://de.nachrichten.yahoo.com/bombenanschlag-an-dusseldorfer-s-bahnhof-verdachtiger-nach-fast-17-jahren-festgenommen-111503405.html

Bombenanschlag an Düsseldorfer S-Bahnhof: Verdächtiger nach fast 17 Jahren festgenommen

Fast 17 Jahre nach dem Bombenanschlag am Düsseldorfer S-Bahnhof Wehrhahn mit überwiegend jüdischen Opfern hat die Polizei einen Verdächtigen festgenommen. Das teilten die Behörden am Mittwoch mit. Ein Richter habe Untersuchungshaft für den 50-Jährigen aus Ratingen angeordnet. Dabei handele es sich um einen Rechtsradikalen, der bereits unmittelbar nach der Tat festgenommen worden war, aber mangels ausreichender Beweise wieder freigelassen werden musste, sagte ein Sprecher der Staatsanwaltschaft und bestätigte Medienberichte.

Der Verdächtige betrieb damals in der Nähe des Tatorts einen Militaria-Laden und galt als Waffennarr. Weitere Details wollen die Behörden am Nachmittag bekanntgeben.

Zehn Menschen verletzt und Ungeborenes getötet

Am 27. Juli 2000 um 15.04 Uhr war am Düsseldorfer S-Bahnhof Wehrhahn eine Rohrbombe explodiert, gefüllt mit dem Sprengstoff TNT. Ein Metallsplitter drang in den Bauch einer schwangeren Frau ein und tötete ihr ungeborenes Baby. Die Frau schwebte in Lebensgefahr. Der Splitterhagel reichte 100 Meter weit. Insgesamt wurden zehn Menschen verletzt – überwiegend jüdische Einwanderer aus Osteuropa. Die Opfer kamen vom Deutschunterricht an einer Sprachschule.

Trotz gewaltigen Ermittlungsaufwands gelang es jahrelang nicht, die Tat aufzuklären. Im Sommer 2015, 15 Jahre nach dem Bombenanschlag, hatten die Ermittler noch einmal neue Ansätze verfolgt. Beweisstücke, darunter das deformierte Geländer, an dem die Bombe hing, sollten erneut und mit den zwischenzeitlich verbesserten technischen Methoden auf verwertbare DNA-Spuren untersucht werden.

Der Geländerabschnitt, an dem die Bombe hing, war herausgeschnitten und als Asservat verwahrt worden. Ein Spezialeinsatzkommando nahm den 50-Jährigen Ralf S. am Mittwoch fest. Was nun schließlich den Verdacht gegen ihn erhärtet hat, teilten die Behörden zunächst nicht mit.

Wenige Monate nach dem Wehrhahn-Anschlag war in Düsseldorf ein Brandanschlag auf die dortige Synagoge verübt worden. Daraufhin war Bundeskanzler Gerhard Schröder (SPD) in die Landeshauptstadt geeilt und hatte einen “Aufstand der Anständigen” gefordert.

Verschiedene Spuren verfolgt

Die Ermittler hatten beim Wehrhahn-Anschlag verschiedene Hypothesen verfolgt. Neben einer rechtsextremen Motivation hatten sie auch einen möglichen islamistischen Hintergrund überprüft. Zudem war spekuliert worden, die Tat könnte von einer mafiaartigen osteuropäischen Gruppierung begangen worden sein.

Nach Bekanntwerden der Mordserie des rechtsextremen NSU war intensiv geprüft worden, ob auch der Wehrhahn-Anschlag auf das Konto des Neonazi-Trios gehen könnte. Erhärten ließ sich dies nicht.

 

【日本語訳】

デュッセルドルフSバーン駅Wehrhahn(ヴェアハーン)の爆破容疑者、ほぼ17年後に逮捕

 

多くがユダヤ系の犠牲者を出したデュッセルドルフSバーン駅Wehrhahnの爆破事件からほぼ17年後、警察が容疑者を逮捕しました。当局が水曜日(2月1日)発表したものです。

裁判官はラーティンゲン出身の50歳の男に対し、拘留を命じました。

当時の事件後すぐに逮捕されていましたが、証拠不十分ということで釈放されざるを得なかった極右思想の男だったと、検察局広報担当者は伝え、メディアの報道を認めています。

 

容疑者は当時、現場近くでミリタリーショップを経営しており、武器マニアで知られていました。

さらなる詳細は、当局が午後に発表するようです。

 

<10人が負傷、胎児が死亡>

2000年7月27日15時分、デュッセルドルフのSバーンWehrhahn駅で、TNT火薬を詰めた

パイプ爆弾が爆発しました。破片が妊娠中の女性の腹部に突き刺さり、胎児が死亡しました。

女性は重体でした。破片は100メートルに達しました。計10名が負傷、多くは東欧からのユダヤ系移民でした。犠牲となった方々は、語学学校でのドイツ語の授業からの帰りでした。

 

膨大な捜査を費やしたもかかわらず、長年の間は事件は解明されませんでした。

爆破事件から15年後の2015年の夏、捜査官らはもう一度初めから捜査をしなおしました。

証拠品の中でも特に、爆弾が掛けられていた歪んだ手すりを、その間に技術進歩したDNA鑑定方法で調査しなおしたとのことです。

 

爆弾が引っかかっていた手すりの部分は切り離されて、(証拠)保管物件として保管されていました。特殊部隊が50歳のラルフ・Sを水曜日に逮捕しました。容疑の裏づけとなるものに関しては、当局は今のところ発表しておりません。

 

Wehrhahnでの爆破事件の数か月後、デュッセルドルフではシナゴーグへの放火がありました。

当時の首相ゲルハルド・シュレーダー(SPD)は州都に急ぎ、「秩序の蜂起」を求めました。

 

<様々な痕跡を追及>

捜査官らはWehrhahnの事件で、様々な仮説を追及しました。極右的な動機の下に、可能性としてイスラムのバックグラウンドの調査もしました。その上、東欧のマフィアグループの仕業の可能性も推測されました。地下極右組織NSUの事件の後、Wehrhahnの爆破事件も ネオナチトリオが関与しているのではないかと徹底的に調査されましたが、それを裏付けることはできませんでした。

 

【読み方のポイント】

  • überwiegend 優越した

    その中でも多くが、という訳にしました

  • Verdächtige 容疑者・疑いのある人物

    mutmaßlicher Täter という言葉も使われます

  • Untersuchungshaft 拘留

    捜査のための拘留のことです

  • Ratingen デュッセルドルフから向かって北にある市
  • r/Sprecher 広報担当者・スポークスマン
  • die Staatsanwaltschaft 検察局

    裁判での弁護人Verteidiger に対し、検事はStaatsanwalt

  • betreiben (店や会社を)経営する・運営する
  • in der Nähe des Tatorts 現場の近く
  • gilt als ~として知られている 名前が通っている
  • Waffennarr 武器マニア

    ~Narr で「~マニア」

  • Sprengstoff TNT TNT火薬

    Sprengstoffは「発破・爆破火薬」

  • tötete ihr ungeborenes Baby 直訳すると、「彼女の産まれていない赤ん坊を殺した」
  • in Lebensgefahr schweben 重体である・生命の危機に瀕している
  • r/Splitterhagel 破片がばらばらに飛び散った状態のもの
  • Ansätze 開始すること、きっかけ
  • das deformierte Geländer, an dem die Bombe hing 爆弾がかかっていた歪んだてすり
  • als Asservat verwahrt 証拠物件として保管されていた

    verwahrenは「保管する」だが、警察や税関などでの用語

  • Ralf.S 容疑者の名前

    まだ犯人と決まったわけではないので、名字だけがイニシャル。

  • erhärten 裏付ける  (証拠として)確固たるものにする
  • ein Brandanschlag verüben 放火する
  • e/Synagoge シナゴーグ

    ユダヤ教会のこと

  • die Landeshaptstadt 州都。デュッセルドルフのこと

    デュッセルドルフはNordrhein-Westfalen州の州都

  • Aufstand der Anständigen 訳するのが難しいですが、
    Anstäntigeは、「ちゃんとした人、礼儀ある人」のこと
    そういった心を蜂起、立ち上がらせようという内容だったのでしょう。
  • verschiedene Hypothesen 様々な仮説
  • spekulieren 推測する
  • mafiaartigen マフィア的な
  • begehen (悪いことを)する
  • NSU Nationalsozialistischer Untergrund

    かつてドイツを震撼させた、極右テロ組織

  • auf das Konto gehen ~の責任である ~の仕業である
  • Neonazi Trio NSUのメンバーのうち3人、Uwe Mundlos, Uwe Bönhardt ,Beate Zschäpe を指す

    2011年11月に銀行強盗、殺人、爆破事件を起こす そのうちMundlosとBörnhardtは既に死亡
    詳しくは下記サイト
    http://www.netz-gegen-nazis.de/artikel/rechtsextremes-mord-trio-erschuettert-die-republik-9176

  • Erhärten ließ sich dies nicht 裏付けられることはなかった

    lassen sich ~ で「~されうることが可能」という意味がある。

    例えば日本語で「仕方ない」は「変えることができない」という言い方になり、「Das lässt sich nicht ändern」と言える



ドイツ新聞読みこなし ゲッベルスの秘書を務めていた女性

1945年4月30日にアドルフ・ヒトラーが自決し、第二次世界大戦が終結してから今年で72年です。
たとえ当時ナチスのために働いていても、終戦後に残党とはみなされず一般人になった方々も大勢います。

第二次世界大戦当時、ヒトラーの腹心であった宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスの秘書を務めていたブリュンヒルデ・ポムゼルさんが106歳で亡くなりました。

SPIEGEL Online 2017年1月30日の記事より

http://www.spiegel.de/politik/ausland/brundhilde-pomsel-ehemalige-sekretaerin-von-joseph-goebbels-gestorben-a-1132267.html

Brunhilde Pomsel Goebbels’ Sekretärin gestorben

Bis zum Ende des Nationalsozialismus arbeitete Brunhilde Pomsel direkt für Propagandaminister Joseph Goebbels, vom Holocaust will sie nichts mitbekommen haben. Nun ist die 106-Jährige laut AP gestorben.

Die ehemalige Sekretärin des NS-Propagandaministers Joseph Goebbels ist tot. Brunhilde Pomsel starb nach Angaben der Nachrichtenagentur AP vergangene Woche in einem Altersheim bei München. Sie wurde 106 Jahre alt.

Pomsel hatte von 1942 bis zum Ende des Nationalsozialismus im “Reichsministerium für Volksaufklärung und Propagandaals eine der bis zu sechs Vorzimmerdamen von Goebbels und dessen Staatssekretär gearbeitet. Laut “Süddeutscher Zeitung” gehörte sie zum “engsten Zirkel um Hitlers Hetzer”. 2011 wurde ihre Geschichte in dem Film “Ein deutsches Leben” dokumentiert. Der Regisseur des Films, Christian Kroenes, habe den Tod Pomsels bestätigt, so AP.

In dem Dokumentarfilm behauptet sie, nichts vom Massenmord an sechs Millionen Juden gewusst zu haben. “Nichts haben wir gewusst, es ist alles schön verschwiegen worden, und das hat funktioniert”, sagt sie. “Ich könnte keinen Widerstand leisten“, sagt Goebbels’ Sekretärin im Film, “ich bin zu feige.” Für sie seien Job und Wohlstand vorgegangen, außerdem habe sie dazugehören wollen. Pomsel trat bereits 1933 in die NSDAP ein.

Nach Kriegsende war Pomsel fünf Jahre in sowjetischer Gefangenschaft. Danach fing sie beim Südwestfunk an und arbeitete später als Chefsekretärin des ersten ARD-Koordinators Lothar Hartmann.

 

【日本語訳】

ゲッベルスの秘書、ブリュンヒルデ・ポムゼルさんが逝去

 

ブリュンヒルデ・ポムゼルさんはホロコーストには一切関与しようとせず、ナチズムの終焉まで宣伝相ヨーゼフ・ゲッペルスの下で直々に勤務していました。AP通信によると、106歳で亡くなりました。

 

かつてナチス宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルズの秘書だった方が亡くなりました。

AP通信の報道によると、ブリュンヒルデ・ポムゼルさんは先週、ミュンヘン近郊のとある老人ホームで亡くなったとのことです。106歳でした。

 

ポムゼルさんは1942年からナチス終焉まで、「国民啓蒙・宣伝相」において6人いたゲッベルスの世話係の一人として、また国家秘書として勤務していました。南ドイツ新聞によれば、彼女は「ヒットラーの扇動者に最も近い環境」に属していたとのことです。

2011年には、彼女のドキュメンタリー映画「Ein deutsches Leben」が公開されました。

AP通信によると、その映画監督だったクリスティアン・クローネスが彼女の逝去を確認したとのことです。

 

ドキュメント映画の中で彼女は、600万人の大量殺戮について何も知らなかったと主張しています。「私たちは何も知りませんでした。すべてが素晴らしいほどに口外禁止にされており、それが機能していたのです」

「私は全く抵抗することもできませんでした」とゲッベルスの秘書は映画の中で言います。

「私はとても臆病者でした」

彼女にとって仕事ならびに裕福さが優先しており、それ(ナチスにはいたものの、仕事がある状況)に属していたかったのです。

ポムゼルさんはすでに1933年、ナチス党の党員となっています。終戦後、ポムゼルさんは5年間、ソ連の捕虜となっていました。その後南西放送局で働き始め、後には最初のARD放送の番組調整を担当していたローター・ハートマン氏の秘書長を務めていました。

 

【読み方のポイント】

  • r/Nationalsozialismus ナチス主義
    通称「ナチズム」
  • Propaganadaminister Joseph Goebbels 宣伝相 ヨーゼフ・ゲッベルス(1897-1945)

    「プロパガンダの天才」と言われ、またヒトラーの忠実な腹心としてナチス党の宣伝において卓越した手腕を発揮した。

  • von mitbekommen ~に関与する
  • Reichsministerium für Volksaufklärung
    und Propaganda
    国民啓蒙・宣伝相
  • als eine der bis zu sechs Vorzimmerdamen 6人までいた世話係のうちのひとりとしてVorzimmerとはその組織の長の部屋の前などにある執務室などのことですが、Vorzimmerdamenはシェフの身の周りの世話や買い出し、秘書など総務的な仕事をしていた女性たちのことと考えられます
  • Süddeutsche Zeitung 南ドイツ新聞

    ミュンヘンに本社。発行部数およそ37万部

  • engsten Zirkel 身近な環境

    Zirkelは「サークル」の意味があるが、訳すには意味がわかりにくなるので、「身近な環境」とした。いわば「ほぼ側近」だったと言える。

  • der Regisseur des Films 映画の監督
  • verschwiegen worden 黙らされていた

    本文では「口外禁止にされていた」としました

  • Wiederstand leisten 抵抗する
  • zu feige 臆病者だった

    zu が形容詞の前につくと強調して「~すぎる」となりますが、マイナスイメージがあります。

    「寒すぎる」zu kalt  「(値段が)高すぎる」zu teuer

  • vorgehen 優先する
  • die NSDAP die Nationalsozialistische Deutsche Arbeitspartei

    国家社会主義ドイツ労働党 つまりナチ党の正式名称

  • in sowjetischer Gefangenschaft ソ連の捕虜、ソ連に捕らえられていた
    裁判をするために捕らえられていたのか、労働のための捕虜として拘留されていたかは不明



ドイツ新聞読みこなし カナダ人女性が肺無しで6日間生存

今回はカナダでのお話です。32歳の女性が、6日間「肺が無い状態」で生き延びたという記事です。

N-TV 2017年1月26日の記事より

http://www.n-tv.de/panorama/Kanadierin-lebt-sechs-Tage-ohne-Lunge-article19650137.html?ref=yfp

 

Erste Operation ihrer Art Kanadierin lebt sechs Tage ohne Lunge

Die Frau war dabei, vor den Augen der Ärzte zu sterben. Dann trafen die Mediziner eines Krankenhauses in Toronto eine mutige Entscheidung und hielten die 32-Jährige noch sechs Tage am Leben – ohne Lunge.

Eine Frau hat in einem Krankenhaus in Kanada sechs Tage ohne Lunge überlebt. Die Ärzte hätten im vergangenen April der damals 32-jährigen Melissa Benoit ihre beiden schwer entzündeten Lungenflügel herausoperiert, teilte das Krankenhaus in Toronto mit. Mit spezieller Technik, unter anderem einer Herz-Lungen-Maschine, sei die Frau aus Burlington in der Provinz Ontario dann sechs Tage am Leben gehalten worden, bevor eine Spenderlunge transplantiert werden konnte. Eine solche medizinische Prozedur habe es noch nie zuvor gegeben, hieß es vom Krankenhaus.

Über den Fall berichteten die Ärzte auch im Fachjournal “The Journal of Thoracic Cardiovascular Surgery”. Die Operation sei “kühn und eine große Herausforderung” gewesen, sagte Chefchirurg Shaf Keshavjee. “Aber sie starb vor unseren Augen. Wir mussten eine Entscheidung treffen, weil sie in der Nacht noch gestorben wäre.” Seit Jahren litt Benoit schon an der Stoffwechselkrankheit Mukoviszidose, zudem hatte sie sich auch noch eine Lungenentzündung eingefangen. “Sie ist in eine Spirale hineingekommen, von der sich ihre Lungen nicht mehr erholt hätten”, sagte der Chef der Intensivstation, Niall Ferguson. “Ihre einzige Hoffnung war eine Lungentransplantation.”

Zu diesem Zeitpunkt war Benoit, die verheiratet ist und eine kleine Tochter hat, aber nicht stabil genug für eine Transplantion, erst das Entfernen der entzündeten Lungenflügel ermöglichte das. Neun Stunden dauerte die Operation, 13 Ärzte und Pfleger waren beteiligt. Die entzündeten Lungen seien hart wie Fußbälle gewesen, sagte Chirurg Keshavjee. “Es war technisch schwierig, sie aus dem Brustraum herauszuholen.” Nur Stunden nach der Operation, ging es Benoit schon deutlich besser. Zahlreiche Maschinen hielten sie am Leben. Sechs Tage später bekam sie eine Spenderlunge. Seitdem habe sich ihr Zustand stetig verbessert

 

【日本語訳】

<初の試みでの手術 カナダ人女性、肺が無い状態で6日間生存>

 

女性は医師達の眼前で死ぬ間際でした。そこでトロントのある病院の医師らは、勇気ある決断をし、32歳の女性は6日間生きたのです 肺無しで。

 

カナダの病院で女性は6日間、肺が無い状態で生き延びました。トロントの病院によれば、去る4月、医師らは当時32歳のメリッサ・ベノイトの、重度に炎症を起こした肺を摘出したとのことです。特殊な方法で、とりわけ心臓と肺の(役目をはたす)装置でオンタリオ州ブリングトン出身の女性は、肺が移植されるまでの6日間、生き延びたということです。そのような医学的処置はいままでなかった、と病院は言います。

 

この事態に関して医師らは 専門誌「The Journal of Thoracic Cardiovascular Surgery」においても報告しています。 手術は「大胆かつ、大きな挑戦だった」と執刀医のShaf Keshavjee氏は言います。「彼女は我々の目の前で死んだ。彼女があの夜に死にかけたので、我々は決断を下さなければならなかった」長年、ベノイトは代謝病の一種である嚢胞性腺維症にかかっていました。

おまけに肺炎にもかかったのです。

「彼女は、肺が元に戻らない螺旋に陥ってしまったのです」と集中治療室所長Niall Ferguson 氏は語りました。「彼女の唯一の希望は、肺移植でした」

 

それまでにベノイトは結婚して娘も一人おりましたが、炎症を起こした肺を摘出するまでは移植には耐えられそうにありませんでした。手術は9時間におよび、13人の医師と助手が手分けしました。 腫れあがった肺はまるでサッカーボールのようだった、とKeshavjee氏は言いました。

「胸腔からそれら(肺)を取り出すのは技術的に困難だった」

手術後、目に見えてベノイトは快方に向かいました。多くの装置が彼女の命を支えたのです。

6日後、彼女は臓器提供された肺を移植されました。それ以降、彼女の容体は常に良くなっているということです。

 

【読み方のポイント】

  • eine mutige Entscheidung treffen 勇気ある決断を下す、英断をくだす

    「決定する」でeine Entscheidung treffenは頻出表現です

  • überleben 生きのびる
  • Lungenflügel 直訳すれば「肺翼」ですが、文章中では「肺」としました
  • Spenderlunge 臓器提供された肺
  • e/Prozedur 処置
  • e/Herausforderung 挑戦
  • Aber sie starb vor unseren Augen しかし彼女は我々の眼前で死んだ
    患者は結果的に亡くなってはいませんが、一旦は息を引き取ったものと思われます
  • Stoffwechselkrankheit 代謝の病気

    Stoffwechsel は「代謝」

  • einfangen 捕まえる、(いやなものを)しょい込む
  • die Intensivstation 集中治療室
  • Sechs Tage später bekam sie eine Spenderlunge 6日後に臓器提供された肺を受け取った
    では日本語文として不適切なので、「肺を移植された」という訳にしました
  • sich verbessern 良くなる、快方に向かう

    形容詞に前つづりver -がついて、「その形容詞の状態になる」という動詞があります

    besser + ver-で、verbessern
    verbessern だけだと「良くする・改善する」再帰動詞 sich verbessern で、「良くなる」という意味になります



ドイツ新聞読みこなし 築地市場移転問題

東京都豊洲に移転するかどうかでもめている、築地市場に関するドイツ語記事です。

日本のみならず、世界でも有数な規模の市場として有名であり、東京を訪れた外国人観光客に人気のスポットでもあります。築地市場の現況が、ドイツ語でどのように報道されているか読んでみましょう。

ルポタージュ記事は、主に以下のように構成されます

①現場のビジュアル的な状況の説明(現場の様子・特徴・雰囲気など)

②その現場や状況の、歴史的な説明・由来など

③なぜこの現場を記事にしているのか?何をテーマとしているのか?

④③に関しての現場もしくは関係者の声(他媒体での引用含む)やインタビュー

⑤④に関しての筆者の考察や、今後起こりうる予想・計画など

Yahoo. de 2017年1月25日の記事より

https://de.nachrichten.yahoo.com/wirbel-um-japans-gr%C3%B6%C3%9Ften-fischmarkt-095118285.html

Wirbel um Japans größten Fischmarkt

Mit einer kleinen Spitzhacke reißen die Fischhändler winzige Stücke Fleisch aus den gefrorenen Thunfischen. Während die meisten ihrer Landsleute noch im Futon liegen, beugen sich die Männer bei der morgendlichen Thunfisch-Auktion auf Tokios weltberühmtem Fischmarkt Tsukiji minutenlang über die abgeschnittenen Schwanzflossen. Prüfend zerreiben sie das Fleisch der Tiere zwischen ihren Fingern, begutachten seine Struktur, seine Faserung, die Farbe.

Vor der Auktionshalle donnern kleine Paletten-Laster mit Meerestieren aus aller Herren Länder durch die Gänge des Marktes. Um kurz nach Mitternacht treffen die ersten Ladungen ein. Von der Scholle bis zum Blauflossenthunfisch: Tsukiji, einer der größten Fischmärkte der Welt, bietet alles, was das Herz von Fischliebhabern höher schlagen lässt. Rund 1700 Tonnen werden hier tagtäglich umgeschlagen, bevor die Fische in den unzähligen Sushi-Restaurants des Archipels landen.

Ein Hauch von Wehmut hängt beim Anblick der Fischhändler in der Luft, wie sie in der kalten Morgenluft die begehrten Thunfische vor sich auf dem Boden in Augenschein nehmen. Denn die alten Hallen aus den 1930er Jahren sollen abgerissen werden und mit Blick auf die Olympischen Spiele 2020 in Tokio Platz schaffen für neue Häuser und breite Straßen. Geplant ist, dass der Markt in bereits fertiggestellte neue Hallen auf Toyosu, einer nur wenige Minuten entfernten künstlichen Insel am Rande der Tokioter Bucht, umzieht. Eigentlich sollte das schon im November über die Bühne gegangen sein.

Doch Tokios neue Gouverneurin Yuriko Koike hat die Pläne vorerst auf Eis gelegt. Begründung: Der Untergrund des neuen Geländes ist trotz Sanierungsarbeiten und wiederholter Untersuchungen weiter hochgradig mit Umweltgiften wie Benzol und Arsen verseucht. Auf dem Grundstück in Toyosu stand früher eine Gasfabrik. Nun sollen nochmals Untersuchungen vorgenommen werden. «Wir sind total überrascht. Uns bleibt nichts anderes übrig, als das Ergebnis abzuwarten», sagte Kenji Ohashi vom Tsukiji-Marktverband der Deutschen Presse-Agentur.

Andere sind regelrecht verärgert. «Bei der jetzigen Lage können wir nicht umziehen», schimpfte der 47 Jahre alte Zwischenhändler Yasuhiro Yamazaki kürzlich in der Zeitung «Asahi Shimbun». Egal wieviele Milliarden an Steuergeldern schon in den neuen Standort investiert worden seien, «wir gehen auf keinen Fall Kompromisse ein. Ich will Klarheit über die Sicherheit, wenn ich Fische verkaufe». Nicht nur die Stadt hat schon viel Geld investiert, sondern auch viele Händler, unter anderem für Kühlgeräte. Manche können sich den geplanten Umzug gar nicht leisten und haben bereits ihr Geschäft ganz aufgegeben.

«Wir haben uns vor der ganzen Welt blamiert wegen des Fischmarktes, der die japanische Kultur des Fischessens repräsentiert», meinte der 79 Jahre alte Makoto Nozue, der seit seinem 15. Lebensjahr als Zwischenhändler in Tsukiji arbeitet. «Je länger dieses Umzugsproblem dauert, desto schwieriger wird es für die Händler, die schon so viel Geld in den neuen Standort gesteckt haben», meint auch einer seiner Kollegen. Die Stadtverwaltung solle endlich eine Entscheidung fällen.

Und so geht das geschäftige Treiben auf dem altehrwürdigen Tsukiji-Markt vorerst weiter, können Touristen aus aller Welt noch einmal die Chance nutzen und die morgendlichen Thunfisch-Auktionen besuchen. Die Blütezeiten aber sind ohnehin vorbei. Seit Jahren geht der Handel zurück, immer weniger Supermärkte und Restaurantketten brauchen Tsukiji noch und kaufen stattdessen direkt bei den Fischern.

Wurden im Jahr 2002 noch rund 640 000 Tonnen auf dem Markt in Tsukiji gehandelt, waren es 2015 nur noch 440 000 Tonnen. Von den einst mehr als 1000 Zwischenhändlern sollen heute Medien zufolge noch etwa 570 übrig sein. Nach Angaben des Wirtschaftsblatts «Toyo Keizai» haben in den vergangenen zwölf Jahren mehr als 100 Firmen dichtgemacht.

 

【日本語訳】

<日本最大の市場を巡る混乱>

 

魚業者が小さな鉤で、凍ったマグロから小さな肉片を削りとっています。市井のほとんどの人々がまだ布団の中にいる間に男たちは、世界的に有名な東京築地市場の朝のマグロのセリで数分にわたって、切り取った(マグロの)尾ひれに、身を乗り出しています。(魚の)身を指と指ですりつぶし、状態やスジ、色をくまなくチェックしています。

 

セリ場の前では様々な地方から届いた海産物を積んだターレが、大きな音を立てて市場の通路をせわしなく行き来しています。深夜の少し後に、最初の入荷があります。カレイからクロマグロまで。世界で最も大きな市場の一つである築地は、魚を愛する者の心を打つすべてのものを提供しています。冷たい朝の空気の中、眼前の床に横たわる切望するマグロを吟味するように、憂いを帯びた魚業者の息が空気中にかかっています。

 

古くなった建物は1930年代からのもので、2020年の東京オリンピックを見据えて新市場と幅広の道路のための場所の確保のために取り壊されることになっています。市場は数分しか

離れていない、東京湾の外れの埋め立て地である豊洲に出来ているはずの新しい建物に移転する予定でした。本来ならばすでに11月に開始されていたはずなのです。

 

ところが小池百合子東京新知事が、この計画をとりあえず棚上げしました。

理由は、新市場の土地が洗浄処理と数々の調査にも関わらず、ベンゼンやヒ素といった環境有害物質により高基準濃度で汚染されていたからです。豊洲の土地には、以前はガス工場が建っていました。そこでもう一度、調査することになります。

「とても驚いたよ。我々には、結果を待つ以外は残されていない」と、築地市場協会の

オオハシ・ケンジ氏はドイツの報道機関にそう言いました。

 

その他の怒りの声ももっともです。「今の状況では、移転など出来はしない」と47歳の仲卸業者ヤマザキ・ヤスヒロ氏は先日の朝日新聞で怒りをあらわにしました。

新立地のために税金がすでに何億投入されたか、かまわないことなのでしょう、「我々は妥協することはない。魚を売るための安全性を、はっきりさせてほしい」

多くの金をかけたのは何も(東京)都だけではありません。たくさんの業者も、とりわけ冷蔵施設に投資しています。ほとんどが計画済みの移転に対する(金銭的な)余裕はなく、すでに店をたたんだところもあります。

 

「うちらは日本の魚食文化を代表する市場のせいで、世界の笑いものなったよ」と15歳の時から仲卸として築地で働く79歳のノゾエ・マコト氏は言います。

「この移転問題が長引けば長引くほど、すでに多くの金を豊洲に投資した業者にとっては厳しいものになる」と彼の同僚の一人も言います。都の管理部は、そろそろ決定するべきでしょう。

 

とこのように、威厳ある築地市場での商業的な騒動はとりあえず続くわけですが、世界各国からの観光客は今一度機会を得て朝のマグロのセリを訪れることが出来るでしょう。

しかし繁盛していた時代はすでに終わっています。年々業者の数は減り、スーパーやレストランチェーンも築地を訪れることは少なくなっており、代わりに漁師から直接買いつけるようになっています。

築地市場では2002年、64万トンの取引がありましたが2015年には44万トンでした。かつて1000以上あった業者も、今日のメディアによればおよそ570だそうです。経済誌「東洋経済」によれば、過去12年間で100以上の会社が廃業したとのことです。

 

【読み方のポイント】

  • pl/Landsleute 陸の人々

    漁業関係者に対し、そのほかの人々のこと

  • im Futon liegen ふとんの中にいる

    日本の「布団」はFuton と言ってもOK

  • die morgendliche Thunfisch Auktion 朝のマグロのセリ

    e/Aukutionは「オークション」「競売」

  • Schwanzflossen 尾びれ
  • das Fleisch der Tiere この場合のTiere は、マグロのことを指している
  • begutachten seine Struktur, seine Faserung, die Farbe 魚の状態やスジ、色を吟味している

    購入するにあたって鑑定している

  • die Auktionshalle セリ場

    e/Halle は「ボール」のこと。

    体育館や工場、屋内プールなど、天井が高く広い空間をそう呼ぶ

  • donnern 鳴り響く

    雷がゴロゴロなる、の意味があるが、けたたましいお音を立てている様子

  • kleine Platten Laster 魚を入れたパレットなどをはこぶ荷車「ターレ」のことと思われる
  • aus aller Herren Länder 世界中から
  • Scholle カレイ
  • Blauflossenthunfisch クロマグロ
  • der Archipel たくさん島がある海

    「多くのお寿司屋さん」を、海に浮かんだ多くの島に見立てた比喩的な表現

  • in Augenschein nehmen 観察する・吟味する
  • mit Blick auf die Olympischen Spiele 2020 in Tokio 2020年の東京オリンピックを見据えて
  • künstlichen Insel 人工島 埋め立て地のこと
  • über die Bühne 実行される
  • auf Eis legen 棚上げする
  • trotz Sanierungarbeiten und wiederholter Untersuchungen 洗浄処理と度重なる調査にもかかわらず
  • Benzol und Arsen ベンゼンとヒ素
  • regelrecht 正真正銘、もっともな
  • schimpfen 本来ならば「叱る」「罵る」の意味ですが、
    verärgert と合わせて「怒りをあらわにする」という訳にしました
  • auf keinen Fall 決して~でない
  • wenn ich Fisch verkaufe 魚を売るときに、と直訳になりますが、
    「魚を売るにあたっての」「魚を売るための」という訳にしました
  • ihr Geschäft ganz aufgeben 商売をあきらめる、店をたたむ
  • uns blamieren 笑いものになる
  • Je länger, desto schwieriger 長ければ長いほど、困難に

    Je 比較級+desto 比較級 で、「~すればするほど~」

  • die Blützeiten 繁盛していた時代、この世の春を謳歌していた時代

    全盛期とか、儲かっていた時代のこと

  • zurückgehen 衰退していく

    「戻る」ではなく、売り上げとか商売の状況でこの単語が出てきた際は、「減っていく」意味を表します



コラム その12  ドイツ語での星座の言い方

星座はs/Sternzeichen といいます。ドイツでも日本のように、誕生日をもとにした星座占いs/Horoskopeが、雑誌や新聞に書かれていたりします。

今日の占い(Tageshoroskope)や今週の占い(Wochenhoroskope)などの言い方もあります。

自分の星座をドイツ語ではどのようにいうのかみてみましょう。

 

<誕生日>
おひつじ座 Widder 21.3- 20.4
おうし座 Stier 21.4-20.5
ふたご座 Zwillinge 21.5-21.6
かに座 Krebs 22.6-22.7
しし座 Löwe 23.7-23.8
おとめ座 Jungfrau 24.8-23.9
てんびん座 Waage 24.9-23.10
さそり座 Skorpion 24.10-22.11
いて座 Schütze 23.11-21.12
やぎ座 Steinbock 22.12-20.1
みずがめ座 Wassermann 21.1-19.2
うお座 Fische 20.2-20.3



ドイツ新聞読みこなし 80,000本のたばこを空港で押収?

人の出入りが自由、という意味でEU圏内は国境が無いに等しいこともあります。

そのためEU圏内では誰が何をドイツに持ち込んでいるか、完全に把握は出来ません。

その点、飛行機で渡航する際や船便で届く荷物に関してドイツの税関はとても厳しいです。

以前耳にした話では、「クッキーのチョコチップに見せかけたコカイン」が税関で摘発されたこともあるそうです。今回のお話はとても大胆に大量のタバコを密輸しようとしたケースです。

Kölner Stadt Anzeiger  2017年1月21日の記事より

http://www.ksta.de/koeln/flughafen-koeln-bonn-80-000-zigaretten-im-koffer-gefunden-25589756

Flughafen Köln/Bonn: 80.000 Zigaretten im Koffer gefunden

Der Zoll stellte die Zigaretten an den Flughäfen in Köln und Düsseldorf sicher.

Solch einen Fund macht der Zoll am Köln/Bonn Flughafen nicht alle Tage: 80.000 Zigaretten in zwei Koffern.

Zwei Armenier und ein Ukrainer wurden am vergangenen Samstag mit dieser großen Menge am Flughafen aufgefunden.

Die Kofferweise Schmuggelware

Die beiden Männer waren gerade aus Armenien eingereist und hatten noch nicht einmal Handgepäck, sondern lediglich zwei Koffer dabei. Bei den Zigaretten handelte es sich um „VIP”-Zigaretten, die in Deutschland verboten sind.

Die Zöller stellten vorerst die Personalien der Männer fest und erhoben einen vierstelligen Eurobetrag als Sicherheitsleistung. Danach konnten die Schmuggler wieder gehen.

Das Gleiche in Düsseldorf

Nur vier Tage später, am vergangenen Mittwoch, erwischten wiederum Zöllner einen Mann am Düsseldorfer Flughafen, der gerade aus der Ukraine einreiste. Auch er hatte einen Koffer mit mehr als 30.000, vermutlich in seiner Heimat produzierten, „Marlboro“-Zigaretten dabei. Auch er verzichtete auf weiteres Gepäck.

Der entstandene Steuerschaden beträgt rund 16.000 Euro.

 

 

【日本語訳】

<ケルン・ボン空港で80000本のタバコがスーツケースから見つかる>

税関がケルン・ボン空港でタバコを押収しました。

このような発見は、ケルン・ボン空港の税関ではよくあることではありません。

80000本のタバコが2つのスーツケースに入っていたのです。

2人のアルメニアと1人のウクライナ人が去る土曜日(1月14日)、この大量(のタバコ)と共に、空港で発見されました。

 

<スーツケースいっぱいの密輸品>

男性は両名とも、アルメニアから入国したばかりでした。そして1つも手荷物は無く、スーツケース2つだけを所持していました。タバコについては、ドイツで禁止されている 「VIPタバコでした。

 

税関職員がまず男性の身元を確認した後に4桁のユーロを保証として徴収し、その後密輸者は釈放されました。

 

<デュッセルドルフでも同じことが>

わずか4日後の去る水曜日(1月18日)に、またもや税関職員がウクライナから入国したばかりの男性をデュッセルドルフ空港で確保しました。彼もまたスーツケース1つの中に30000本以上の、おそらく彼の地元で製造されたマルボロタバコを所持していました。

彼もまた、荷物を放棄(あきらめ)しました。発生した税金の損額は16000ユーロほどになります。

 

【読み方のポイント】

  • 80000 Zigaretten 80,000本のタバコ

    もしも1箱におよそ20本入っていれば、4000ケースほどになるとんでもない数ですね。

    ドイツのタバコは日本のように1箱20本とかではなく、17本とか23本とか銘柄によって様々です。

    VIPという銘柄のタバコ1箱に何本入っているかは言及されていません

  • Der Zoll 税関

    r/Zollにはテレビの大きさの尺度の「インチ」の意味もある

  • sicherstellen 没収する・押収する・差し押さえる

    同意語にbeschlagnahmen があります

  • r/Fund 発見物

    駅や空港の「遺失物管理所」はs/Fundbüro といいます

  • nicht alle Tage いつものことではない
  • Die Kofferweise スーツケースにいっぱいの
  • einreisen 入国する

    「出国する」はausreisen

  • dabei hatten 所持している

    habenにdabeiがつくと、ただ「持っている」ではなく

    「所持している」「携帯している」などの意味に発展する

  • s/Handgepäck 手荷物
  • lediglich ただ ~なだけ

    nur の同意語

  • Die Zöller 税関職員

    どちらかといえば口語体と思われる

  • die Personalien 個人の素性、身分など
  • erheben 税などを接収する
  • vierstelligen Eurobetrag 4桁のユーロ金額

    具体的な金額は不明だが、何千ユーロという金額

    数字の「桁」はe/Stelle

    「3桁の」→dreistellige

  • die Schmuggler 密輸入者

    密輸 r/Schumuggel 密輸する schmuggeln

  • erwischen 捕まえる・捕らえる

    「逮捕する」前の段階で「犯行現場をつかむ」のような言葉

  • verzischten auf ~をあきらめる 放棄する
  • betragen ~の金額になる ~の数値になる

    金額や人口など、多用される動詞です

  • rund およそ~



ドイツ新聞読みこなし 中国から初めての貨物列車

ユーラシア大陸をほぼ横断する有名な列車にシベリア鉄道がありますが、今回は中国を出発した貨物列車が18日の旅を経てロンドンに到着したお話です。

AFP通信2017年1月18日の記事より

https://de.nachrichten.yahoo.com/erster-g%C3%BCterzug-china-trifft-18-tagen-london-153952070–finance.html

Erster Güterzug aus China trifft nach 18 Tagen in London ein

Nach 18 tägiger Reise – ist erstmals ein Güterzug aus China in London eingetroffen. Der Zug rollte am Mittwochmittag unter Konfettiregen im Bahnhof Barking ein. Er war am 1. Januar in der Industriestadt Yiwu in der Küstenprovinz Zhejiang losgefahren und transportierte hauptsächlich Textilien und andere Konsumgüter.

Auf seinem Weg durchquerte der Güterzug Kasachstan, Russland, Weißrussland, Polen, Deutschland, Belgien und Frankreich und fuhr schließlich durch den Eurotunnel unter dem Ärmelkanal nach London. Den letzten Abschnitt von Duisburg bis in die britische Hauptstadt übernahm die Deutsche-Bahn-Frachtsparte DB Cargo. Während der langen Reise mussten Lokomotiven und Wagen mehrmals ausgetauscht werden, weil die Eisenbahnstrecken in den früheren Staaten der Sowjetunion andere Spurweiten haben.

Betreiber des Güterzugs, der zunächst testweise verkehrt, ist die Interrail Gruppe aus der Schweiz im Auftrag der chinesischen Containergesellschaft CRIMT. Die Verbindung von Yuwi nach London gehört zur längsten Eisenbahnstrecke der Welt mit verschiedenen Start- und Zielbahnhöfen in China und Europa. London ist die 15. Stadt, die an die Strecke angeschlossen wurde.

Der Gütertransport auf der Schiene gilt als billiger als Luftfracht und zugleich schneller als der Transport per Schiff. Laut der Deutschen Bahn wird die Eisenbahnverbindung zwischen China und Europa vor allem von Kunden mit “zeitsensiblen Gütern” wie Aktionsware der Bekleidungsindustrie sowie für “kapitalintensive Güter” wie Autoteile und Elektronik genutzt.

 

【日本語訳】

中国から初めての貨物列車、18日を経てロンドンに到着

 

18日にわたる旅―中国からの初めての貨物列車がロンドンに到着しました。列車は水曜日(1月18日)に紙吹雪に包まれてバーキング駅に着きました。1月1日に、湾岸にある地方Zhejangに属し、産業の街である義鳥市(Yiwu市)を出発して、主に衣類や消耗品貨物を運びました。

 

道中貨物列車は、カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランド、ドイツ、ベルギー、そしてフランスを渡り、ついにはドーバー海峡下のユーロトンネルを通ってロンドンまで運行しました。

最後の区間であるデュイスブルグからイギリスの首都(ロンドンのこと)までは、ドイツ鉄道貨物部門のDBカーゴが引き継ぎました。

長旅の間、旧ソ連(内を走っている)の線路は幅が違うため、列車は何度も交換される必要がありました。

 

さしあたりのテストとして運行させた貨物列車の運営は、中国のコンテナ業者CRIMTから依頼されたスイスの国際鉄道グループです。

義鳥市からロンドンまでの接続は、中国と欧州で様々な出発駅と目的駅のある最も長い鉄道に数えられます。ロンドンは路線が接続された15番目の街です。

 

列車での貨物輸送は空輸よりもコストが低くそして船便よりも速いです。ドイツ鉄道によれば、t中国と欧州の鉄道の接続は、アパレルのバーゲンセール品など「時間に敏感な貨物」や車部品や電気機械など「資本集中型の貨物」からの顧客に利用されるとのことです。

 

【読み方のポイント】

  • Erster Güterzug 初の貨物列車

    中国~イギリスまでの距離では初という意味でしょう

  • eintreffen 到着する
  • einrollen rollenは転がる・回る

    列車の車輪が回って駅に入っていくイメージの動詞です

  • Textilien 衣類・アパレル製品
  • Kosumgüter 消費貨物

    このKonsumが日用品なのか燃料などかは記事からは読み取れません

  • auf seinem Weg 道中

    sein はZug のこと

  • Weißrussland 白ロシア ベラルーシ(首都ミンスク)のこと
  • der Ärmelkanal ドーバー海峡

    イギリスとフランス間にある海峡

  • Duisburg デュイスブルグ

    ノルトライン・ヴェストファーレン州にある工業の街。

    デュッセルドルフの北側にある。

  • übernehmen 引き受ける

    仕事で新人や代理人が「引き受ける」場合に使う

    「引き継ぐ」はübergeben

  • Deutsche Bahn Frachtsparte ドイツ鉄道貨物部門

    貨物・荷物はGut やFrachtの言葉が使われる
    例 (機内持ち込み荷物などの)危険品→Gefahrgut
    貨物列車→Güterzug
    飛行機の貨物室→Frachtraum
    荷物の送り状→Frachtbrief

  • Lokomotiven und Wagen 機関車と貨車

    Wagenは「自動車」列車の「客車」にも使われ、多用される語の1つです

  • im Auftrag ~の依頼により

    「依頼を受ける」→einen Auftrag bekommen



ドイツ新聞読みこなし イタリア中部でまたも連続地震

1月17日は阪神大震災が起こった日です。ドイツで地震は皆無ですが、近隣国イタリアでは2016年にも大きな地震が発生し、そして今回も群発しています。

筆者は2011年3月11日の東日本大震災時はミュンヘンにおりましたが、近所の肉屋さんとかピザ屋の人たちに「日本で大地震があったみたいだが、家族は大丈夫か?」と何度もきかれた覚えがあります。

私たち日本人にとって、地震の被害は対岸の火事でなく、いつも身近にある出来事です。

【ドイツ語原文】

FOCUS Online 2017年1月18日の記事より

http://www.focus.de/panorama/welt/gebiet-wurde-schon-2016-erschuettert-wieder-schweres-erdbeben-in-mittelitalien_id_6512268.html

 

Stärke 5,3: Wieder schwere Erschütterungen nahe Rom

 

Es liegt meterhoch Schnee und es ist eiskalt. Die Menschen in der Erdbebenregion in Mittelitalien sind sowieso am Rande ihrer Nervenkraft. Nun bebt der Boden wieder – gleich mehrere Male hintereinander.

Fünf Monate nach dem Beginn der schweren Erdbebenserie in Mittelitalien haben erneut mehrere heftige Erdstöße die Region erschüttert. Zwei Beben einer Stärke von mehr als 5 versetzten die Menschen am Mittwochvormittag wieder in Angst und Schrecken.

Der erste Erdstoß habe eine Stärke von 5,3 gehabt, teilte die italienische Erdbebenwarte INGV mit. Danach folgte ein noch stärkeres Beben, das ebenfalls bis nach Rom zu spüren war. Es habe die Stärke von 5,5 gehabt, so das Geoforschungsinstitut GFZ in Potsdam. Unklar war zunächst das Ausmaß der Schäden.

Schnee und Eiseskälte machen der Gegend zu schaffen

Das Zentrum lag laut Erdbebenwarte in rund zehn Kilometern Tiefe zwischen der Abruzzen-Stadt L’Aquila und der Stadt Rieti in der Region Latium und damit nahe der Stadt Amatrice. Die Gegend war vergangenen Sommer von einer schweren Erdbebenserie heimgesucht worden war, bei der im August 299 Menschen starben. Ganze Orte waren zerstört worden. Derzeit machen auch Schnee und Eiseskälte den Menschen in der Gegend zu schaffen.

Nach ersten Angaben gab es jetzt wieder kleinere Schäden in Amatrice. In Accumoli, das im Sommer ebenfalls in großen Teilen zerstört wurde, sagte der Bürgermeister, es gebe diesmal nach ersten Angaben wohl keine größeren Schäden. In der Stadt Rieti wurden nach dem Beben gegen 10.30 Uhr Schulen evakuiert, berichtete die Nachrichtenagentur Ansa. Auch in Rom wackelten Häuser.

Viele Gebäude ohnehin schon zerstört

Viele Orte in der Erdbebengegend im Apennin sind sowieso schon vollkommen zerstört. Zehntausende Menschen wurden im vergangenen Jahr obdachlos und wohnen seither in Übergangsunterkünften. Seitdem erschüttern regelmäßig schwere Erdstöße die Region.

Italien wird immer wieder von schweren Erdbeben heimgesucht. Grund für die Beben sind riesige Spannungen, die sich im Untergrund aufbauen. Denn der «Adriatische Sporn» – ein Anhängsel der afrikanischen Erdplatte – reibt sich hier an der eurasische Platte. Auch deshalb haben sich Italiens Mittelgebirge aufgefaltet. Die enormen Energien können sich entladen.

 

【日本語訳】

<強さ5,3  ローマ近くで強い揺れが再び>

雪が数メートルの高さにつもり、極寒です。イタリア中部で地震のあった地域の人々はいずれにせよ、心の限界である。今また地面が揺れます・・・何度も連続して。

イタリア中部での、強度の連続地震の開始から五か月後、再びきつい揺れが地域を襲った。水曜日の午前、強度5以上の2度にわたっての揺れが人々を不安と恐怖に陥れました。

最初の揺れは強度5.3だったと、イタリア地震観測所INGVが伝えました。その後、ローマでも体感できるさらに強い揺れが発生しました。 それ(2回目の揺れ)は強度5.5だったと、

ポツダムの地学研究所GFZが伝えています。当初の被害の規模は不明です。

<雪と寒さが現場を困難な状況に>

地震観測所によれば震源はAbruzzen(イタリアの地域)のL´Aquilla市とLatium地域にあるRieti市の間、Amatrice氏近隣およそ10キロの深さだったということです。

その地域は昨年夏の8月、299名の犠牲者を出した連続地震に襲われました。ほとんどの場所が倒壊しました。目下のところ雪と寒さも、現場で人々を苦しめています。

最初の報道によれば、小規模な被害がAmatrice市であるようです。(昨年の)夏にほとんどが倒壊したAccumoli(地名)では市長が、第一報では大きな被害は無かったと表明しています。

報道機関Ansaによると、Rietiの学校では、(生徒たちが)10時30分ごろの最初の地震で避難したとのことです。ローマでも家屋が揺れました。

<多くの家屋がいずれにせよ倒壊している>

地震のあったApennin(地名)の多くの場所は、すでに倒壊しています。1万人(以上)の人々が住みかを失い、それ以来仮設住宅で暮らしています。以降、強い揺れが定期的に地域を襲っています。

イタリアでは、繰り返し強い地震に見舞われます。揺れの原因は、地下で形成された大規模な

応力(※読み方のポイント参照)によるものである。

「アドリアの拍車」―(と呼ばれる)アフリカプレートの末端が、ユーラシアプレートとこすれあったためです。このために、イタリアの中央山脈が形成されたのです。この膨大なエネルギーが、発散されたと考えられます。

 

【読み方のポイント】

  • Stärke
    (地震の)強さ

    ドイツとイタリア、そして日本の「震度」とは意味合いと尺度が違う可能性がありますので、一概に日本人が想像する「震度」は当てはめませんでした。

  • Erschütterung
    揺れ
  • eiskalt
    とても寒い・極寒・酷寒
  • die Erdbebenregion
    地震に見舞われた地域
  • am Rande ihrer Nervenkraft
    心の限界・我慢の限界

    Rand は、amがつくと am Rande となり、「~の限界」「~の瀬戸際」などぎりぎりの状態を意味する言葉になる

  • die schwere Erdbebenserie
    強い連続地震
  • Erdstoß
    急激な地震
  • versetzen
    おとしいれる
  • in Angst und Schrecken
    不安と恐怖に
  • unklar
    不明
  • zunächst
    最初は、当初は
  • das Ausmaß
    規模
  • machen der Gegend zu schaffen
    地域を苦しめる

    machen zu schaffen で、「~を苦しめる」「困らせる」

  • das Zentrum
    震源
    ※地下にある揺れの源である「震源」は、s/Hypozentrum
    ※震源の真上の地表のポイントである「震央」はs/Epizentrum

    文章中に「深さ10キロ」という表記があるので、震源のことである

  • heimsuchen
    襲い掛かる
  • bei der
    前の文章のErdbebenserie にかかる関係代名詞
  • zerstört worden
    破壊された
  • der Bürgermeister
    市長
  • wurden evakuiert
    避難する
    ※evakuieren の動詞だけをみると「避難させる」だが、受動態となって「避難させられた」という表現は日本語として不適切なので、「避難する」。

    evakuierenは受動態で見ることが多い。おそらく、自治体の長や学校の先生などが市民や生徒を「避難させる」からと考えられる。

  • wackeln
    ゆれる・グラグラする

    机や家具などがグラグラして不安定な状態も、この動詞を用いる

  • ohnehin
    sowisoと同意語
  • sowieso schon vollkommen zerstört
    どのみちすでに倒壊している

    2016年夏に倒壊したままの状態のところに再度地震が来たので、倒壊したままという状態

  • Übergangsunterkünften
    一時的な宿泊所

    日本で「仮設住宅」と呼ばれる建物だと思われる

  • Seitdem
    それ以降→2016年夏の地震以降
  • Spannungen
    「応力」

    物理・地震学で用いられる言葉。

  • Anhängsel
    大きなアフリカプレートの端っこの部分を指している

    アフリカプレートを調べてみると、北端部分が突起のような形をしており、ユーラシアプレートに接している。その接する真上にイタリアが位置している。

  • auch deshalb haben sich
    Italiens Mittelgebirge aufgefaltet

    sich auffalten は「褶曲が出来る」という意味がある。

    (2つのプレートがこすれた結果)地面が褶曲し、出来たのがイタリアの中央山脈、という意味を持つ文脈