日本では寒波が押し寄せていますが、ドイツはそれ以上に寒い地域です。特に南側は寒くなりやすいので、ドナウ川も凍ります。そんな中、キツネが川で氷漬けになってしまった話です。珍しいモニュメントとしてではなくこれを発見し、川から切り出して展示した猟師さんには、ある意図がありました。
【ドイツ語原文】
Makabere Warnung: Jäger schneidet Eis-Fuchs aus dem Fluss
Yahoo de 2017年1月14日の記事より
https://de.nachrichten.yahoo.com/makabere-warnung-j-ger-schneidet-eis-fuchs-aus-142132737.html
Im schwäbischen Fridingen mahnt nun ein Eis-Fuchs zur Vorsicht. Dabei handelt es sich keinesfalls um die schöne Eis-Skulptur eines Bildhauers, sondern um einen echten Fuchs, der auf der Donau ins eingebrochen und gestorben ist. Jäger Franz Stehle hatte das tote Tier mit einer Kettensäge aus dem Eis geschnitten und den Eisblock samt Inhalt nahe dem Jägerhaus aufgestellt.
Das mag zunächst makaber klingen, hat aber einen ganz einfachen Grund: Nicht nur der sonst als clever geltende Fuchs unterschätzt die Gefahr des zugefrorenen Flusses. Der Unglücksrabe bzw. -fuchs soll nun übermütige Spaziergänger davor warnen, das zu dünne Eis zu betreten. “Ich wollte ihn am Ufer aufstellen, als Mahnmal, damit sich niemand auf das Eis wagt. Menschen sollen Respekt vor der Natur haben”, so der Jäger im Gespräch mit der “Schwäbischen Zeitung”.
Anfang Januar hatte Stehle den Eis-Fuchs gemeinsam mit seinem Sohn aus der vereisten Donau befreit. Seitdem dient das Tier der Warnung – bis es das nächste Mal taut. Dann muss Stehle den Kadaver entsorgen. Keine Premiere für den 61-Jährigen. “Einmal habe ich ein tiefgefrorenes Reh entdeckt, Wildschweine in den letzten 40 Jahren schon drei, vier Mal”, berichtet Stehle. Bleibt zu hoffen, dass die Spaziergänger seine mahnenden Worte samt Eis-Fuchs im Hinterkopf behalten – damit das Tier das letzte Opfer bleibt, das Stehle aus der Donau schneiden muss. Eines ärgert den Jäger an der ganzen Sache dann aber doch: Den Pelz des Fuchses kann er nach dem Eis-Bad im Fluss später nicht mehr brauchen.
【日本語訳】
グロテスクな警告 ハンターが川から「氷のキツネ」を切り出す
シュバーベン地方のフリディンゲンで、「氷のキツネ」が注意を呼び掛けています。
それは彫刻家が造った美しい氷の彫像のことでは決してなく、ドナウ河に落ちて死んだ本物の
キツネのことです。ハンターであるフランツ・シュテーレ氏はこの死んだ動物を、糸のこぎりで
氷から切り取り、そして氷のかたまりと一緒に猟師小屋の近くに立てました。
グロテスクに聴こえるかもしれませんが、とてもシンプルな理由があります。
賢いとされているキツネでさえ、凍った川の危険性を甘く見てしまうということです。
不幸なカラス、もといキツネは向こう見ずな歩行者として、薄すぎる氷に足を踏み入れることに注意を呼び掛けているのでしょう。
「誰も氷の上に乗ったりしないよう、警告メッセージとして川のほとりに(氷漬けのキツネを)立てておきたかったんだ。人間は自然をリスペクトすべきだよ」と猟師(シュテーレ氏)は
「Schwäbischen Zeitung」のインタビューで答えました。
1月上旬、シュテーレ氏は彼の息子と一緒にこの氷のキツネを凍ったドナウ川から取り出しました。それ以降キツネは-次に溶けるまで-警告係として務めます。
そうしてから、シュテーレ氏は(動物の)死骸を処理しなければいけません。
61歳にとって、初めてのことではありません。
「かつては一度、カチカチに凍った鹿を見つけたことあるよ。
いのししに至ってはこの40年で3・4回」
とシュテーレ氏は言います。望むべくは、歩行者が氷のキツネを含めて彼の警告の言葉を頭の片隅にとどめておいてくれることです、このキツネが、シュテーレ氏が切り出さなければいけない最後の犠牲者であるように。このことでハンターは怒っているようですが、
川で氷浴びをしたキツネの毛皮は、彼にはこの後必要ではありません。
【読み方のポイント】
- es handelt sich um 「~について」
es geht um~と同じく内容を示す成句
- keinesfalls 決して~でない
- r /Bildhauer 彫刻家
- makaber 残酷な・気持ち悪い・グロテスクな
- unterschätzen 甘く見る・あなどる
- Unglücksrabe 不幸な人
- übermütig 向こう見ずな・無鉄砲な
- als Mahnmal 警告碑として
- wagen 思い切って~する・あえてやってみる
川や池が凍ると、乗ってみようとする輩が多いですが、とても危険です。
- aus der vereisten Donau 凍ったドナウ川から
- befreien 解放する・自由にする
- r /Kadaver 動物の死骸
人間の死体・遺体は e/Leiche
- keine Premiere für den 61 Jährigen 61歳にとって初めてではない
Premiereは、劇や映画の「封切り日」のこと
転じて、この出来事は彼にとって「初の出来事ではない」という意味 - ein tiefgefrorenes Reh カチカチに凍った鹿
ちなみに冷凍食品は「Tiefkühl」「Tiefkühlprodukte」と言います